3.11 東北地方太平洋沖地震その時

日帰り出張帰りの京浜東北線南行に乗っていました。
新子安を過ぎたところで、急停車しますというアナウンスと共に急ブレーキ。

実際は私はイヤフォンをしていたので車内放送は聞こえなかったのですが、周りの乗客の表情が急変したのと、車内液晶モニタに警告が表示され、 即座にイヤフォンを外し、繰り返す放送が聞こえました。

急ブレーキと言っても電車のそれはクルマほど効きません。
転ぶ人などはおらず、しかし停車した瞬間に、車両がギシギシ言うほどの揺れを感じ、外を並行して走る線路の架線が猛烈に揺れています。

たまたま数日前に強い地震がありましたから、車内の乗客は地震信号で停止し、そのまま揺れていることに気づきました。

もともと揺れて走る電車ですから、怖くはありませんでしたが、停車して程なく
「安全確認のため電源が切れます」
という旨のアナウンスがあり、室内が暗くなりました。
しかし座席ヒータの余熱で車内は結構な暑さです。
乗客はドア付近にちらほら立ち客がいる程度の空いた車内でしたが、暑くなってきたので、乗客同士で声を掛けあい窓を少しだけ開けました。

私の向いには首が座ったばかりの子を連れたママさんが立っていましたので、ママさんに席を譲り、携帯からTweetの確認です。
そのタイムラインで大変な地震だと知りました。

あいにくモバイルWiFiルータは昼過ぎに電池切れだったので、ネットインフラは携帯だけ。
しかも法人契約の携帯なので殆どのWeb機能に制限が掛けられています。

ふと、IS01を持っているのに気づき、ワンセグでTVを見ることにしました。
音量を少し上げ、ママさんのベビーカーの上に置き、車内の人が見れるようにしました。
若い人は皆携帯で情報を入手していましたが、この時間の車内には3割ほどが年配の方で、彼らは不安そうな様子でした。

定期的に車掌さんが情報を伝えに車内を往来していましたが、走行復旧の目処は立ちません。
そのうち、ママさんのベイビーがむずがり、ママさんがおっぱいをあげようとした時に、隣席の女性がショールを貸してあげたり協力しています。

しかしさすがに1時間半程でベイビーのご機嫌貯金が切れたので、私がベイビーを預かり、車内を往来してアヤしました。
機嫌を取り戻したベイビーが、疲れ始めた乗客に笑顔をふりまきます。

そしてここで想定内(笑)の事態が。
サンデー毎日な団塊年配の方が、説明に回る車掌さんに噛み付きはじめました。
やれ下ろせだの、何時間待たせるんだの、トイレはどうしてくれるんだ、と。

若い人やビジネスマンは冷ややかに見ていますが、さすがにトイレをもよおす人は居るようで、車掌さんが案内しどこかへ連れていきました。
ジイさんはブツブツ言いながら戻ってきたのでおそらく立ちションでしょう。
何万人も被災した大災害のさなか、自分の生理現象の処理を人前でワメくなよ、と誰もが思ったでしょう。

2時間が経った頃、復旧の見通しが立たぬとのことで、下車の案内がありました。
乗客は混乱もなく、粛々と並びながら降りて行きます。

幸い停車位置がここで、最後尾車両のドアが踏切の真上だったので、アルミハシゴで車外へ出、すぐに道路へアクセスできました。

ここで鶴見へ帰るママにベイビーをお返ししました。
さて、時間が時間ですし、自宅への途中経路に職場があるで、とりあえずみなとみらいの職場に戻ることにし歩きはじめました。
 歩道は既に京急やJRなど公共交通機関を諦めた人で、普段は誰も歩いていない第一京浜の歩道は溢れています。
電車内でママの隣に座っていた女性が、野毛まで行きたいが道が分からない、と半べそだったので、案内することにしました。

子安からランドマークタワーまで4kmちょっと。
途中雲行きが怪しくなり、小雪がちらつきましたが、1時間ほどで到着し、彼女曰く「こんな日に休まない鬼の職場」へ向かい、私も職場へ。

平日は人もまばらなみなとみらいの広い歩道が避難帰宅の人で一杯です。
職場の建物に着くとエレベーターが止まっており、50m超えのフロアまで階段で登ると、職場は災害早退指示が出ており、徒歩帰宅が不可能な人だけが残っていました。

私は夕方石川町の歯医者を予約してあったので、駐輪場から自転車をピックアップし向かったところ、歯科は休業。


ではと元町をぶらりしますが、軒並みシャッターが降りています。
中華街も同じく、開いているお店は殆どありません。

丁度一楽さんが片付け中だったので、一声掛けて今日は退散することにしました。

しかし道路は裏通りまでどこも大混雑です。
歩道はどこも徒歩帰宅の人で溢れ、無理に交差点に入ったクルマは斜めに止まり、路肩を自転車ですり抜けるのもままらなず、いつもの倍の時間を掛けて自宅に到着しました。

福島県いわき市に住んでいたことのある私は、いわきや宮城、岩手などに友人知人がいます。
被災地の皆さんのご無事と復興をお祈りしています。

そして皆さんはこれを機会に防災への備えを今一度考え、横浜の人は横浜市民防災センターへもぜひ行ってください。

コメント

cesia さんの投稿…
ぶりさん、無事で何よりです。
こちらは徒歩で江東区から帰宅しましたので、かなり辛かったですが、自宅が無事でライフラインも一通り動いてるのでとりあえず安心しています。
まだまだ何が起きるか判らないので不安ですが、何とかなるといいなぁと思っています。
・・・とりあえず節電かなぁ。
さんの投稿…
車中でしたか。
無事でなによりです。
用賀からみなとみないまで来た時に見た
渋滞は凄かったです。
小職のauは何の役にも立ちませんでした。
Galaxyは良い仕事をしてくれました。

本日のみなとみらい地域は静まり返っております。

被災地の方々の安全を願うばかりです。
よだれ犬ことつちころり さんのコメント…
ご無事なようでなによりです。まだ余震がありますね。心理的にみなさん疲れていると思います。

東北の方々には、お悔やみと共に、一日も早い復興を節にお祈りしております。
管理人:ふ゛り さんの投稿…
■cesia さん
郊外から都心勤めの方はとても大変だったようですね。
とりあえず職場に歩きやすい靴を置く、被災した際の被害を最小限にするよう、室内のモノの置き方を考える辺りは全員必須でしょう。

先ほど天井高目一杯まである、自作の棚を壁に固定しました。
管理人:ふ゛り さんの投稿…
■雅 さん
夕方のMMは徒歩帰宅の人の波で異様な様相でした。
重工業・ゼネコン系の会社も多いですので、工事用ヘルメットを被っている人も結構いました。

こんな時のために華奢靴の女性は職場にスニーカを置いておくべきですね。

私のauもメール・通話はダメでしたがezwebは生きていたのでTwitterでの情報はずっと追えました。

戸部・西横は下町で古い建物も多いですから、これを機に一層の備えをですね。
管理人:ふ゛り さんの投稿…
■よだれ犬ことつちころり さん
仙台の親友は内陸住まいなのですが、その両親がいわきの海近くなので心配です。
今は祈るばかりです。

何年掛かろうが、日本は必ず復興しますよね。
皆さん、コメントありがとうございます。
小径のヌシ(^-^) さんのコメント…
ご無事でなによりでございます
ヌシは内勤なので社内での地震でしたが
移動中の車内だと情報的にも不安ですよね
…でも独りきりの時よりはよいのかな。。。
管理人:ふ゛り さんの投稿…
■小径のヌシ(^-^) さん
その時、嬢たちをしっかり守ってあげてください。
そんな時の男気はきっと返って、、来るかな(汗
酔華 さんのコメント…
ぶりさん、車内だったんですね。
でもあの位置での停車でよかったですよ。
これが鉄橋上とか、ガード上だった大変でした。

記事を読んで、なんとなく車内の雰囲気が伝わってきました。
ここは被災地そのものではないですが、
昨日、東京湾を震源とする地震が1回あったので、
とうぶんの間、注意が必要です。
管理人:ふ゛り さんの投稿…
■酔華 さん
単に送電などからくる交通機関の都合であれば、夜間に無理して帰宅することも混乱の元ですので、職場に一晩居られるような事も考えに入れた方が良いですね。

今日はやろやろうと思っていてそのままにしていた、うちで一番大きなレコード棚(総重量400kg超)を壁に固定しました。

もっとも手元にあったこのL字金具では震度7の振幅が来たら飛んでしまうかもしれませんが、やらぬよりマシかと思います。