中華街発ツウな食材 ザーサイの溜り醤油漬け@源豊行


横浜中華街は、横浜きっての歴史ある文化圏であり、観光地だ。
その街を歩いているといつでも発見に満ち溢れていて、飽きる事がない。

今日はチャイナタウンの知り合いが絶賛する珍しい食材
「ザーサイの溜り醤油漬け」
というのを使った炒め物を作ってみた。

このザーサイの溜り醤油漬けとは、中華街大通りのほぼ中央に店を構える中華食材店「源豊行」さんで冬の間だけ売られるオリジナル商品とのこと。

ザーサイと言えば、褐色の塊をスライスしたものを漬物的に食べたりするのが一般的だが、元々はアブラナ科の植物。
チンゲン菜や野沢菜も同じアブラナ科の植物だ。

チンゲン菜や野沢菜も茎の下方に太い部分があるけれど、いわゆる一般的なザーサイはその部分が更に肥大し、塊状になったその部分を漬物にしたもの。
本当はその上部にチンゲン菜や野沢菜のような葉の部分もあり、源豊行のそれは葉の部分を含めて溜り醤油に漬けたものだそうだ。

お店によると
「日本にある農家と提携し栽培されたザーサイを、葉ごと収穫し当店オリジナルの味付け(溜まり醤油)で漬けた、言わばザーサイの浅漬けです。通常のザーサイとは違う食感と味わい」
とのことだが、植物の成り立ちが上記の通りなので、一見パッケージを見ると、日本全国どこにでもあるナントカ菜の漬物同等にしか見えず、少々オリジナリティーに乏しいのが惜しい。

食べてみたところ他の菜っ葉との違いは、やはり茎根元のいわゆるザーサイのカタチにあたる部分。
ここが野沢菜のような繊維質がキュッっと歯に沁みるような食感とは違う、コリッとした独特の食感で美味しい。

そのまま刻んで漬物として食べても、もちろんフツーに美味しいのだが、これを絶賛して勧めてくれた知り合いの名誉!のためにも、やはり中華食材として特徴のある食べ方をしたいと店主に訊いてみたところ、豚肉の炒め物との相性が良いとのこと。

で作ってみたのが、題して「搾菜炒肉」こと豚肉のザーサイ炒め。
■搾菜炒肉(<勝手に命名、中国語に詳しい人読み方求む)
  1. 薄切り豚肉(切落し、三枚肉何でも可)を塩、胡椒、醤油、紹興酒(贅沢にカメ出しを使用)、溶き卵、片栗粉、油適宜にて揉んでおく。
  2. ザーサイ溜り漬けは、せっかくの溜り醤油の漬け汁で漬けられているので絞らずに調味として残し、葉の部分は1cm、茎部分は3mm位に刻む。
  3. 豚肉を油で十分熱した中華鍋で炒め、ざっと火を通す。調味料で揉んであるので焦がさぬように。
  4. ザーサイを投入し、肉と馴染ませる。
  5. 少量の湯で溶いた少し濃いメの鶏ガラスープ(これも源豊行のホームシェフシリーズというのを使ってみた)と水溶き片栗をそれぞれ大匙1~2杯ほどで味付け、最後に胡麻油を少々鍋肌から回し完成。
コツは豚肉の下味付けは必ず行うこと。
肉の柔らかさと味わいが増し、仕上がりが全く違う。

ザーサイも刻んだあとにサッと指先でほぐしておき、鍋に投入後は肉と絡め暖める程度で手早く行えば、肉はフワッとしたまま、味のムラが無く美味しくなる。

強火の調理がリズミカルに進むように、100均で極小サイズのステンレスボウルを多数揃え、刻んだり下味付けた材料はそこに入れておき、鍋への投入を待とう。
調味料も小さな金属皿に分量を用意しておけば、鍋肌にカンカンと当てて一瞬で投入できる。
100均はプロの厨房を真似るのに丁度良い小物に溢れているので、プロの厨房を観察し100均の品でその仕事を真似よう。

調理後は鍋が暖かいうちに洗剤は使わずに少量の流水とササラ(タワシ)で洗えば、使用後も画像のようにいつでもキレイなままだ。

食材店には二度三度脚を運び会話をし顔馴染みになると、こちらの調理レベルや好みが通じてきて、良いアドバイスが貰えるので、調味料も一度に買わず、少しずつ揃えよう。

ごちそうさまでした。

コメント

酔華 さんのコメント…
一楽のランチでこの漬物をいただきました。
その後、女将さんに教えてもらって源豊行に買いに行き、
最近はこれにハマっています。
一楽の小姐さんが言うには「挽き肉との相性がいい」そうです。
管理人:ふ゛り さんの投稿…
■酔華さん
まぁ野沢菜のようなものと言えばそうなのですが、根周りは肉厚で特徴がありますね。

挽き肉との相性は以前からお店の皆さんから言われるていて、毛湯ベースでやってみたりしていましたが、先日の一楽の豆腐と豚挽き肉の豆豉炒めの味付けを食べて、これも合うかもと思いました。

しかしそろそろこのザーサイ漬けのシーズンが終わりです。