中国料理の歴史を味わう ~ 菜香新館特別体験メニュー

先日、横浜商科大学主催のオープンキャンパス「中華街まちなかキャンパス」に参加してきた。
当日の講座は「横浜中華街が発信する食文化」と題して菜香グループのCEO、曽氏による食文化講義だった。

講義はとても面白く、資料ともども勉強になったが、凄かったのはオプショナルの中華料理体験。
これは料理教室だと思い込んでいて意気込んで申し込んだのだけれど、実は料理教室ではなく通常メニューでは出さない歴史料理の数々を菜香新館で味わうという会食だった。
しかしその料理がどれも珍しく、かつ美味しかったので、ここにメモ。

1.菜香彩小碟 ~ 香菜、泡菜、西芹、白切鶏、叉焼
まず前菜。
香菜は料理のアクセントとして添えられることはあるが、メインとして食べたのは初めてで、醤油ベースのドレッシングでいただくサラダで非常に美味しかった。
豆腐をところてん状にしてサッと揚げたようなものが乗っていたけれど、これは何だろう。
泡菜(画像に無し)は日本で言うところの「なます」のような感じ。大根と人参の酢漬け。
西芹はセロリ。これも香菜と統一感のある醤油ベースのドレッシングが美味しい。
白切鶏(画像に無し)と叉焼は良くあるもの。これは小さいお店でも美味しく出すところはありますな。
火の入れ方が上手で美味しかった。
2.老火煲例湯 ~ 夏の健康スープ
壷に入れた具とスープを、大甕で蒸す薬膳スープ。
豚バラ、人参、袋茸、とうもろこしの滋味、中華街で出される薬膳スープってハズレ無いんだよなぁ。

3.威化明蝦巻 ~ えびのウェハース風巻き揚げ
巻いてある皮は米粉を主に、幾つかの粉のブレンドで、そのレシピが知られぬようにコックが朝早くこっそりと仕込み、内訳は他の誰も知らないそうな。
マヨネーズでいただくライスペーパーのような皮はベトナム風という感じもして、揚げ春巻きより口当たりが軽く、これも美味しかった。
4.香煎蝦米腸 ~ 香港焼きクレープ
大根餅のような感じ。いや、可愛い名前だったが、大根餅そのものだったかも、、。
でも美味しい。

5.咸魚蒸猪肉 ~ 香港産塩漬け魚と豚肉の蒸し物
今回の目玉。発酵腐れ魚を豚肉に乗せ、針生姜を和えて蒸したもの。
これは現地でも嫌う人がいるそうだけれど、塩気の効いた発酵塩漬魚(イシモチだそうな)は皮の部分がウマく、豚肉と良く合う。
「これ1切れでご飯1膳いけます」と曽氏が言うものだから、急遽参加者全員に白飯が配られ、菜香厨房のライスが底を着くというハプニングも。
レギュラーメニューにしても数は出ないだろうけれど、発酵塩漬魚は缶詰か瓶詰だろうから、裏メニューとしてでもあれば、この店でしか食べられぬ特徴ある1品になりそうだなぁ。
6.金銀蛋絲瓜 ~夏野菜の金銀卵上湯かけ
夏野菜は何とヘチマ。ヘチマは小さいうちは冬瓜のような感じで、沖縄や台湾辺りでは結構食べるらしい。
食感はプルンとした感じの未知な食感。
これは美味しい。直感的に体に良い気もする。
以前中華街の知り合いに塩蛋の食べ方を訊いて回った際に、子供の頃ヘチマと一緒に煮た料理を祖母が作ってくれた、という人がいたけれど、多分これのことだな。
金銀卵は塩蛋と皮蛋。
薬膳スープに似たやさしい味付けはこれぞ広東料理という感じ。
2種類の蛋もうま味のスープと良く合っていた。

7.泰皇欖角炒飯 ~ 香港産オリーブ入り海鮮炒飯
黒い粒がオリーブ。炒め油もオリーブ油混合かなぁ?
のっけから香菜のサラダという強烈な出だしだったので、結構フツーに感じてしまった。
とか生意気言って、前出の料理で驚いた反動で、きっと単品で食べたらウマいに違いない。
8.鮮奶凍杏仁 ~ 夢見ごこち杏仁豆腐
どの料理も独特だったので、シメはごく自然に。
けれどこの滑らかさは丁寧に作ってあるんだろうな。
量も多くて満足。
幾つかの料理はレギュラーメニューにほぼ同じものがあるようだけれど、ここしばらく菜香さんにご無沙汰だったので、差異は分かりません。

今回の曽氏の解説付きなこの超豪華な宴会は非常にリーズナブルな参加費だった。
この珍しい料理は日本では二度と口に出来まい。
申し込んで良かった。

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