始めての筆談 ~ 塩と砂糖を間違えるのは

金曜の帰りに、少し早かったので茶荘に間に合った。<悟空じゃないよ
電話くれれば開けておくよ、と言われても茶一杯で残業させては悪いので社交辞令としてありがたく頂戴。

で茶飲みしながら先日の雙十節の話しをしていて、その時に店主がくれた茶葉蛋がおいしかったから作ってみる、ついては漢方香辛料パックは源豊行耀盛號さんにあるかな、と言ったところ、その二店には多分無く萬勝さんかあそこにあるはず、と教えてくれた。

萬勝さんは夜が早いので、早速行ってみたところ、案の定店は照明が落ちていた。
でも奥のレジ横に電気がついていたので、図々しく入っていき漢方香辛料パックのことを訊いてみたところ、前はあったんだけれど、と在庫なしとのこと。

ショボ~ンとさてどうしようかと店を出て、「あそこ」を思い出した。

中華街はメインゲートである善隣門の真っ正面にありながら、名前すらおぼろげな謎の地下店舗。
永光物産

向こうのDVDやCDが売っている店だとは看板で知っていたので、そのうち行ってみようと思っていたのだけれど、怪しさ満点のため未踏だった。

で、甘栗の押し売りを横目に地下への階段を降りると、そこはアナザーワールドだった。

階段を降りた踊り場には中国直通カード国際電話機?が2台ほどあり、中国語をまくし立てて電話をする人、その終わりを待ち並ぶ人がいて、早くも異国の雰囲気。

店内に入ると、イニシエの駄菓子屋のような薄暗い店内には乾物やら冷凍食品、そしてダビングしたて感満点なビデオがズラ~っと並んでいる。

店内奥にはおばちゃんがこれまた中国語で電話。
中央の大きなTVでは幼稚園年長くらいの坊主は、口をポカンと開けながら、中国語のニセPixer映画のようなのを見ている。
店に入ってすぐ脇では、メインの店員と思われるキレイなお姉さんがこれまた怪しいUSB小物が置いてあるショーケースの向こう側のPCで動画を見ている。

狭い店内を3周くらいしても誰も私のことを気にも留めない(笑。
きっと国が違うから人の出す周波数が違って受信しないんだろう(笑。

さて、ここにはズバリ「茶葉蛋の元」というスパイスがあったと茶荘店主が言っていたので、店内を見回してみたところ、それらしいものは無い。

どうしたものか、と動画に夢中なお姉さんに声を掛けてみた。

あの、ちゃばたんをつくろうとおもうんだけれど、こうしんりょうぱっくはありますか?

没有。有五香粉。

嗚呼、、このお姉さん、日本語が全く話せない。

チャイナタウンの標準語は向こうの言葉だが、皆街の雰囲気のためにあえて使っている人も多く、話しかければ片言でも日本語で応対してくれる。
しかしお姉さんは来日後わずかなのか、それともこの閉鎖空間で日々過ごしているからか、日本語が口から出る気配が無い、、。

そして私の中国語風情のしゃべり方は、発音がなっていないので全く通じないのは町内の人相手に証明済みだ。

坊主は分かったような顔でニヤニヤしてこっちを見ている。
(胸に幼稚園のバッチのようなものがあったので、言えば通訳してくれかもしれないが、大の大人が園児に頼る訳にはイカン)
奥のおばちゃんは一瞬こちらを一瞥し、すぐに電話の世界に戻っていく。

微妙な距離感で見つめ合う私とお姉さん。
こういう妙なシチュエーションをこんな地元で美女相手にするとは思わなかった(笑。

ん~と3秒考え、そうだ!とケータイを取り出した。
これを見せたらお姉さんはウンウンとニコニコ頷き、五香粉のパックを渡してくれた。
そして何やら凄いね、がんばってと褒めてくれているようだ。
五香粉ならどこでも買えるが、面白い出来事にまぁこれで作ってみるかと店を後にした。

店を出る瞬間、坊主がきれいな日本語で元気に
「ありがとうござます!」
にゃろう、今頃!ムカッ!(笑。

帰宅し早速製作。
イカン、生姜を切らしていた。
冷蔵庫からジンジャーエール用に砂糖と煮詰めた生姜汁からスライスを取り出し流用。
茶葉は茶荘で飲んだ凍頂烏龍茶(多分結構お高い銘柄)の出涸らしを袋に入れてもらい持って帰ってきたもの。
レシピはこちら
いい香りを伴って煮立ってきた。
翌々日(今日)食べてみたところ、期待通りの美味しさ。
これは簡単で、日本では馴染みが無い向こうっぽさで、好まれ易い味で上出来だった。

美味しかったので、実食画像は無し。
こちらの御大が作られたほど模様が出なかったけれど、割り方・煮方だろうか。
永光物産でもう一つ手にしたのは。
中国紅糟。
やった!これで激ウマ油淋鶏が作れる!
しかも500gでたったの300円!
と今日良く見たら、、
砂糖じゃないの、、。
まるっきり黒砂糖でした、、。

@でもウー・ウェンさんもこれで手羽先を煮ているのでヨシとしましょう。

コメント

本須 さんの投稿…
永光物産は未踏でした。
よくあそこを降りていけましたね。

紅糟は耀盛號にありませんでしたっけ?
アルミパックに入って300gくらいだったかと。
ゴッドマー さんの投稿…
キャー!芳香性のことといい、星に願いを込めたあたりの男性心理がばっちり大当たりしましたね、私。何か景品のお約束でもしておけばよかったと後悔の念。(言及すると直ぐにバレますよ。密かな楽しみが。)

ところで、こちらのレシピで作られたのと萬勝さんからの頂き物との違いはどうです?何か違いがあれば次回の参考にしたいのですが。
管理人:ふ゛り さんの投稿…
■本須さん
あんな店だとは思いませんでした。
どこでもドアで香港に繋がっていてもおかしくない雰囲気。
それでも永光さんは天香グループのようです。
まぁ同じような店を何店も持つより、こちらとしては楽しみが増えますが。

耀盛號行ってみます。
最近品数減り気味なので灯台云々でした。
管理人:ふ゛り さんの投稿…
■ゴッドマーさん
う~ん、微妙に外しているような、、。
探偵ならまだ見習い無給期間ですね(笑。

茶葉蛋は先日のお祭りで出していたものの方が、煮込みが少ないようで、白身もプルンとしていました。
私は金曜晩から作り、常温保存しつつ毎日2度程熱を入れ日曜の午後に食べましたが、全体的に固めになりました。

中華的には卵料理は半熟トロトロというのはNGだそうで(多分彼の地の衛生上の経験からでしょう)、硬めに焼くそうですが、ゆで卵もこの位の方が現地向きなのかもしれません。
maruto082 さんのコメント…
チェ~ッ… ( ̄、 ̄)

塩と砂糖を間違って 使ったのかと、大いに期待しちゃって・・・損した!
管理人:ふ゛り さんの投稿…
■maruto082さん
長いわりにはオチがイマイチでスミマセン(笑。
酔華 さんのコメント…
永光物産が入る前は、あそこは「天果」というフルーツ系デザートの店でした。
もちろん「天香楼」のグループです。
そのときに、この地下へ降りてみようと思いながら、いまだに未踏です。
ふ~む、今度行ってみよう。
管理人:ふ゛り さんの投稿…
■酔華さん
あの洞穴状の店舗がフルーツ系デザート店だったとは信じられません(笑。

わざわざ入店して調達する品も無いと思いますが、何というか雰囲気は好みでした。