職人は裏口の奥にいる ～ 武夷 點心鋪（ぶい てんしんぽ）

背中痛のためASIMOのような足取りで町内の用事を済ませ、今日は帰ろうと善隣門を出たら思い出した。
あまり町内では見ないこの看板の書体。

点心のみで、かつ種類も多いこちらは微妙に気になるお店。
店のタイプとしては関帝廟通りの頂好食品に似ている。

店頭に並びきらぬ品は、写真ポップと店内張り紙で表示してある。

町内では歩き食べをしない私。
なので座り食べ。
店内にテーブルがあり、買った点心を食べられる。
冷たいお茶も出してくれる。
点心屋・土産屋のお店ではこのタイプがいくつかある。
あまり利用する人はいないけれど、実はとても楽しい。

隣のテーブルではおばちゃんが黙々と点心を包む。
どこからの店からテイクアウトした雲呑麺を持って正面から裏口に消える謎の人。
中国語の喧嘩。

買ったのは肉饅300円。
町内比でも大きめの、巨大。

これ、お味は御大のご紹介の通り。
具素材も厳選で品の良い饅頭は他にもあるけれど、これはジャンク具合が三遊間。
何がジャンクかというと、肉汁ではない脂！
それも熱々な脂が滴り溢れる！
とても危険！

うわ～と食べつつテーブルにあった
在日華人生活信息報ー現代中国報
を、おぉ、先生が載ってるなんてパラパラめくっていると、またもや
アナタチュウゴク人？
と姐さんに言われる。
度々言われるが、どこがそう見えるのか謎である。

壁のポップ。
気になるものがたくさん。
見た人は後報宜しく。

ん？！
猫耳？！？

猫耳ってなんですか？
と訊いたら、
コレ予約のよ、見るダケね
と奥から持ってきてくれたのをマジマジと見つめると、
イイよタベテ
と出してくれた。

ははん、包子をリボン状に猫の耳のように整形して揚げたパンね、フッ。
これも結構大きいのね、と平静を装い食べると。
！！
ウマい。
揚げ油は表層の皮一枚だけ。
中には染みてはおらず油っこくない。
中は軽すぎず重すぎず、大きめのために食感も良い。
よく出来たパンのよう。
この小麦量（大きさ）と揚げ加減で100円は安すぎではあるまいか。
これは全部試さね、いや教えて貰わないとイカンか、と思う最近稀な当たりである。

ウマーと騒いでいると
ウラで全部作ってルヨ
と暗い裏口通路を指さして言う姐さん。
その向こうは福建福州のどこかに繋がっているのではと思うのであった。