最後に残るハマの隠れ家 都橋 〜 miyakobashi116

ハマ一番のシークレットBarといえば、今は亡きTHE JACK KNIFEをおいて他に無い。
これに異論がある人は居ないであろう。
マスコミの取材一切お断り。
口コミでしか知りえぬ存在。
行きにくい場所。

そんな店も時代の波で丘へ打ち上げられてしまった。

そして時を経て20年近く。
ハマにまた伝説のBarが現れた。

そこは野毛一番のディープストリート。
都橋。

初めて入るには勢いの要る一間間口の店が並ぶ昭和に置き去りにされた一角。
その116号室の「miyakobashi116」がそれ。

ここへは行きたくても行けない。
なぜなら男子禁制のレディースバーなのだ。
しかし例外の条件がある。
女性にエスコートされてであれば一緒に入店出来る場合がある。

タダでさえうらぶれたダウンタウン。

そこに脚を運ぶ女性の数はどれくらいか。
それがものすごい人気店。

ある夜。

どうしても一緒にここへ行ってくれと土下座し行ってみたいという女性と訪れる事が出来た。

店内はカウンター数席だけ。
カウンターの突き当りからは大岡川が俗世間のネオンでキラキラと輝いている。

そしてこちらのすごいのが料理。
地場野菜をふんだんに使い、更に肉使いもすばらしい。
場末のBarではなく洒落たCafeに来てしまったようだ。
酒のツマミではなく、しっかりと食事ができる。

料理を片っ端から頼む。
若鶏のパテは豚バラのリエットの鶏版。
豚でリエットを作ったことのある人なら脂の多さに健康の心配をしたかもしれない。
こちらはそれに比べるとヘルシー。
更に香り良くとてもおいしい。
これはとても気に入った。
次に茹で塩豚。
カウンターの上に置いてあった叉焼のような肉魂がそれであった。
そしてまたコールスローがおいしい。
場所的には寛ぎに来る所なのだろうけれど、本格的に食いモードである。

夢中になっていると、マスターが鍋を火に掛ける。
何だろうと思ったら茹で塩豚を作った時のスープ。
味を整えてカップに注いでくれた。
あぁ、替え玉ください、、。

これはキッシュというか玉子焼きというか。
野菜が入っていてとても美味しい。
この頃にはほろ酔いで、玉子焼きの中の野菜が何だったかうろ覚え。
にんじんは酢漬け。
小技がいちいちおいしい。

女性のマスター。
あちらこちで若い美人と書かれている。
その通り、とても美しい。
そして才能豊かだ。
料理へのイマジネーションは文句なしで、他にも幾筋もの光を感じる。
そのお人柄や立ち位置はお店に通い、このストリートに通えば垣間見えるかもしれない。
しかし妙に気になる雰囲気を感じ失礼ながら訊いてみた。


マスター、ワルでしょ、


、、、えぇ。 サタンです。

すっきりと撃沈され、この街へのナゾめく想いは無くなったのである。

コメント

maruto082 さんのコメント…
30年くらい前・・・。
都橋がまだ怖い街だったころ・・・わざわざ行って、ボッタくられ高額請求を受け、大岡川に飛び込んで逃げた 美しくも甘酸っぱい想ひ出がありますが・・・・もう そんなに怖くないんですね・・。
管理人:ふ゛り さんの投稿…
■maruto082 さん
30年前って、ついこのあいだではないですか。
そんな頃川に飛び込む人が居たとは(笑。
酔華 さんのコメント…
30年くらい前…。
都橋がまだ怖い街だったころ…
このビルの共同トイレを毎日、使わせてもらっていました。
今でもたまにね…
管理人:ふ゛り さんの投稿…
■酔華 さん
あそこのトイレシステムは面白いですね。
特に女性用が。
酔華さんは大岡川には飛び込まなかったのですか?
酔華 さんのコメント…
ジャックナイフっていうのは本牧にあったバスバーだったとは知りませんでした。
でも、それが今、別な場所で復活しているんですね。
管理人:ふ゛り さんの投稿…
■酔華 さん
Windows95の出現でインターネット時代になってから何度も検索してきましたが、よくぞ皆黙っていたな、と掟を守る古い客に感心していました。

今の場所に移り、同じようで違うジャックナイフになってから、昔話含めやっとWeb上で口を開く人が出てきました。

miyakobashi116さんは、あの頃のジャックナイフの秘密めいた香りがして、棚の奥からマッチを引っ張り出し懐かしんだ次第です。
Rose さんのコメント…
あぁぁ、、
ぶりさんに先を越されてしまった。。
つい最近「素敵な女性」お二人に
ご紹介頂いた所だったのです。
酒を飲めない私が
一人で伺ってよいものだろうか、、と
思案しておりました。

素晴らしい料理の数々、やはり
行ってみなければ。
背中を押して頂き、有難うございます。
管理人:ふ゛り さんの投稿…
■Rose さん
とても飲めそうに見えるRose さんでしたら、席に着くと黙っていてもウィスキーのショットグラスが出てくると思いますので、クィッとどうぞ。